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白生地を生かす匠

鎌倉墨乃華友禅を受け継ぐ

vol.5 鎌倉友禅作家 坂井 三智子

鎌倉友禅作家坂井三智子さん

日本工芸会正会員、坂井教人氏を父にもつ坂井三智子さん。20年程前、鎌倉墨乃華友禅として鎌倉に似合う色は墨色と考え普段使いできるものをイメージ。枝や葉を墨で染め、花だけ色を挿しモノトーンが花の色を引き立てる上品な着物を誕生させました。

鎌倉友禅作家坂井三智子
三智子オリジナル落款(らっかん)

父・坂井教人氏の想いを鎌倉友禅 墨乃華紋として発表。墨色の上品な着物として、多くのファンが賞賛しています。
『父がイメージするものとは違うが、正倉院紋様に白と墨の色で上品な着物を制作していきます』と、三智子さん自身の表現の幅を広げられています。

付下訪問着「正倉院文様 琵琶袋より」

数ある三智子さんの着物の中で、人気な柄の一つが、琵琶袋に織り出された正倉院文様から引用した華紋が描かれた付下訪問着です。
美しい華紋を墨で表現し、細かなグラデーションで華紋に深みを感じさせています。墨から成るモノトーンの世界に咲く淡い色は、心を虜にするトルマリンのような神秘的な世界観を醸し出しています。

坂井三智子さんご制作付下げ訪問着
鎌倉友禅作家 坂井三智子さんご制作付下げ訪問着

その表の墨色と相反したように鮮やかな八掛は、歩くことで一瞬だけ見ることができ、おしゃれな遊び心は江戸の粋を受け継いでいます。三智子さんの合言葉のように、着物を創る方も纏う方も楽しめ、とても魅力的です。
優しい墨地に描かれた琵琶袋は、墨の色と調和した関東ならではの粋があります。

鎌倉墨乃華友禅と歩む三智子さん、これからも心に寄り添う華紋を生み出されることでしょう。
ご自身も上品で美しい方。お人柄も含めて人気を集めておられます。

華紋
華紋
八掛
八掛

今回ご使用いただいた生地は「御戸代(みとしろ)」と呼ばれる無地の白生地です。
古代縮緬などと同じく経糸に光沢がある糸を使用しているため、絹の光沢を感じやすい白生地です。また、二重に織られているため、丈夫なことも特徴。
無地ということもあり、カジュアルからフォーマルなものまで、幅広くお使いいただける生地です。
現在「御戸代」に代わり、「駒雲井(こまくもい)」が無地白生地の一つとして、市場で幅広く活躍しています。


坂井三智子さん作品

ご使用いただいた生地に一番近い風合いの白生地はコチラ

色留袖訪問着に向く染加工下白生地の駒雲井
05104SH0001_駒雲井

駒雲井

緯糸に太細の糸を交互に入れる事で、表面にきれいなシボを出しています。二重組織のしっかりした織物で、高級加工品に好んで使用されます。

品番 /05104SH0001

鎌倉友禅作家 坂井三智子(さかいみちこ)

東京生まれ、鎌倉在住。父・坂井教人(日本工芸正会員)のもと修行。鎌倉墨乃華友禅を受け継ぐ。華紋に白と墨の色で上品な着物を制作。創って愉しく!纏って楽しく!が日々の合言葉。

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鎌倉友禅作家坂井三智子さん