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ドロッパーの名をもつ装置

丹後縮緬の製織工場

不意におこる悲劇をしらせるため、織機にはあらゆる装置が取り付けられています。

今回はその装置の一つ、″ドロッパー″についてお話しましょう。

ドロッパーと聞き、アロマやオイルなどの注ぎ口を思い出される方もいらっしゃるかと思われます。しかし、今回のドロッパーは別物になります。

丹後縮緬の製織工場

機場でいうドロッパーとは、
経糸が切れたとき、織機を止める装置のことです。

すべての経糸にピンが通されており、
経糸が切れピンが落ちると金属の棒にふれ、
電気信号が流れ織機を止めます。

つまり、切れてしまった経糸の存在をしらせる装置がドロッパーなのです。

もちろん、切れてしまうまえに切れてしまいそうな糸に気づけばいいのですが、そうもうまく発見できません。

経糸は突然切れてしまうことが多いため、事前に気づけないことが多くあります。なぜなら生地を製織しているとき、経糸には負荷がかかってしまいます。張力であり摩擦であり、もしくは糸の結び目が解けたりと理由はさまざまです。

というのも・・・絹糸は天然繊維であるため、最初から最後まで切れ目のない一本の糸とゆうものではありません。なぜ結び目が存在しているのか?説明していると長くなってしまうため、ひとまず天然繊維はそういうものだと思ってください。

 

ドロッパーのピン一つは1gの重さしかありませんが、その一つ一つが役割を担っています。

経糸が毎日毎日、頻繁に切れてしまうことはありませんが、もし切れてしまうと修正に手間がかかってしまいます。

ピン一つの手助けで、気づけることはありがたいことだと思いました。

皆さんも何か一つ、些細なことに助けられているかもしれませんね。