緯糸事情 ~シャトル編~

前回、経糸についてお話ししましたので今回は緯糸のお話をしましょう。
経糸は30反ほど生地を織り上げて交換しますが、緯糸は一反織り上げる中でいくつも交換されています。
「なぜ?」と疑問に思うかもしれませんが、緯糸は管に巻かれて使われるからです。
管は木の棒のようなもので、シャトル(シャットル)と呼ばれる杼にセットして使います。よく‟シャトルバス”や ‟スペースシャトル”などと聞きますが、「行ったり来たり」という意味ですね。
白生地の場合、一台の織機に2〜4丁のシャトルが使われています。織機や製品により、シャトルが1丁だったり12丁使われたりもしています。
そんな管ですが、1本の管に巻ける糸量は決まっているため交換する必要があるのです。


緯糸が無くなってきたらいよいよ管を交換しますが、ここで注意が必要!
管に巻かれている緯糸は使い切ってしまわずある程度残しておきます。
なぜかというとシャトルには糸道があり、どこにどう糸を通すかによって張力を加減できる構造になっています。そのため、糸をシャトルから抜いてしまうと再び通すのに時間をかけてしまいます。
「糸がもったいない!」と思うかもしれませんが、余った糸はリサイクルされるのでそのまま捨てられてしまう!ということはありません。