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緯糸事情~管巻き編~

管巻きのセンサーが繊細な緯糸を助ける

織り手には織機の様子を見ながら、緯糸を巻く管巻きの様子もみる必要があります。
あらかじめ必要な分だけ巻いておけばいいのでは?と思うかもしれませんが、そう簡単にはいきません。

機場では、さまざまな緯糸が使われているため。複数の織機の緯糸と共用されていることもあり、一種類の糸が独占することは難しいのです。というか迷惑になりますね(笑)。
それと、管の個数にも限りがあるため、譲り合うことが大切です。

白生地の管巻きの機械
絹の伊と幸 生糸の緯糸の緯糸の機械巻き

上の二枚は緯糸を管に巻いている様子になります。管を使って製織するとき、糸が絡まないよう巻かれるようになっています。

そして、管を巻くのはいいのですが、管巻きには節や結び目を感知するセンサーが仕掛けられているものもあります。節は取り除くことができますが、大きな結び目を生地に織り込むわけにはいきません。そのため、感知するとその時点で次の管に交換します。当然ながら最後まで管に巻き切れるとは限りません。半分や3分の1ほどしか巻けていないこともあります。

なかには、管に巻かれている糸の量が少なすぎると使えない!という製品もあります。繊細な生地になると張力の関係により生地に影響を出してしまうからです。

すべての管巻き機にセンサーが付いているわけではありませんが、節だらけの糸もあるため織り手は糸と向き合うこともあります。

小さなことではありますが、いい生地を織り上げるには、ささやかな気配りも大切なのです。

見習いの視点からでしたが、白生地は単純そうですが複雑な世界だと気づきました。

絹糸の緯糸は気配りも必要