白生地を生かす匠

輝く「色」

vol3.小林染工房

京都・丹後で引き染めを手掛ける小林染工房の小林知久佐氏。
暈し(ぼかし)や、しけ引き染めの卓越の技、白生地の産地である丹後の地のつながりを活かした地紋や組織と呼応する高度な染色技法が特徴です。
透明度の高い丹後の海を表現した代表作「丹後ブルー」は、多くの着物ファンを魅了し、支持されておられます。

地紋様を生かす暈し染め

小林知久佐氏が染められたのは銀糸を使った桜の地紋様の紋意匠です。
桜の花を生地の片身に寄せるようにして描いた図柄で、こちらは生地をチョイスされたお客様のご要望で、色は桜ピンク!染めの形は地紋様を生かした濃淡の縦横暈しです。
ひと刷毛ひと刷毛、丁寧に丹念に色が重ねられていきます。また、色ムラが出ないよう常に気を配られていて、集中力を切らせない作業です。

生地に使用される銀糸には染料を吸わない性質があります。地紋様の描線を銀糸で表現しているので、染め上がると桜の花が浮き立つように輝いて見えるのです。
本作の暈し染めでは、片側に寄せた桜の地紋が、これ以上ないくらい本当によく生かされていて、染め足も実にきれいな仕上がりです。積み上げてこられたキャリアと磨きぬかれたセンスを感じずにはいられません。

ご使用いただいた生地はコチラ

紋意匠銀通し 桜

地紋の部分に銀糸(スリット糸)を使った紋意匠。スリット糸には染料が浸透しないため、染色するとその部分だけが銀色に浮き立って見えます。
品番 / 1106UB2553

TANGO BLUE 丹後ブルー

明治の末から大正にかけて、新橋芸者衆の間で流行した着物の色「新橋色」。当時、海外から合成染料が入ってくると、それまで見られなかった鮮烈な「青」が人々の目をとらえました。芸者さん達はこぞってこの色を着物や小物に取り入れたのだそうです。

丹後に染工房を置かれる小林知久佐氏は、この「青」を「丹後ブルー」として復活させました。それまで染色業界では、日に焼けて褪色しやすいとされていた色を、充分な堅牢度を備えた染料で染めることに成功。目に鮮やかな艶と、他では見られない見事な透明感があり、深い色合いが実現されています。

目の前の丹後の海が作家のインスピレーションを刺激するのでしょうか。刻々と色を変える浜の様子が目に浮かぶようで、「丹後ブルー」に魅了されるファンが多いことにも頷けます。

小林染工房

〒629-3101
京都府京丹後市網野町網野2718-3

TEL : 0772-72-4975

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