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丹後タンゴ~♬

丹後ちりめんの機織りのための糸繰
丹後ちりめんの糸繰
丹後縮緬の白生地の糸繰

私は現在、丹後に住んでいます。
丹後ちりめんの機場が、私の職場です。伊と幸提携の製織工場の織師見習いとして、一人前の織り子を目指して日々、奮闘中です。
なぜ織師をめざすことになったのか?少しお話したいと思います。

着物に興味があり、特に染織を学ぶため、高校卒業後、大原和服専門学園に入学しました。当初は、友禅染を重点的に学ぶ予定でしたが、学園での授業を通して、織物の分野の方に、より関心がわいてきました。予定を変更し、織物分野を中心に学ぶことにしました。
学園の織物は手織りでしたが、生地が織り上って行くことの達成感が楽しみになっていました。特に複雑な絡み織(羅)がとても魅力でした。

さて、いよいよ就職活動です。手織りが気に入っていたのに織機を仕事にしたのには…

実は、初めて力織機に対面したのは西陣でした。
手織りとは違いスピードがあり、生地の織り上りも早いです。世の中には色々な機械が存在していますが、製織現場にも、機械が活躍しているとは衝撃でした。
次に、白生地を織っている織機と対面したのは丹後でした。先染め織物しか見ていなかったため、白生地が織られていく様子は新鮮な印象でした。もともと白生地にも興味があったこともあり関心がわきました。

丹後でのインターンシップで気づかされました。
正直なところ、今まで手機中心の世界で過ごしていたので、織機を扱うのは難しいと不安な気持ちもありました。不安なままインターンシップに挑戦しました。三日にも及ばない短期間ではありましたが、職場では皆さんに優しく接していただいたこともあり、忘れていた気遣いの大切さを思い出しました。働いてくれるかどうかも分からない人物にもかかわらず、丁寧に指導してくださりました。
よく、やってみないと分からない。と耳にしますがまったくその通りでした。自分には、決して扱えない!というほどの印象ではありませんでした。
何とかなりそう?かな?それでも不安や恐怖はありましたが、いくらか心に余裕ができました。あとは、じぶんの努力次第といった感じがしました。
生地を織るだけでなく糸繰りや管巻といった業務もあるため、単純作業の繰り返しではありません。同じ作業で柔軟性がなくなることはないとも思いました。

その後、いくつかの会社や企業を見学しました。そして、この企業、株式会社伊と幸の丹後の職工部で、織り子として働きたいと、心が決まりました。
企業の職工部で働くということは、製造側の視点に限らず、販売側の視点でも状況を知ることができます。機場だけでは気づくことが出来ないことも存在するでしょう。
私はまだまだ見習いです。日々地道に学習している22才です。
毎日、生地が順調に織り上るわけではありません。織機の調子が悪いときもあり、ときには意図せぬ、難物を織り上げてしまうことも…経験しました。油断をするとミスをしたり集中力が欠けてしまうこともあり、自分との戦いでもあります。失敗しそうなとき、大ごとになる前に、周囲の意見を聞くようにしています。自分だけで判断せず、先輩方に教えてもらいながら、さらなる成長をめざしています。
細心の注意で織り上げ、伝統の技法を身につけながら、自分の手で織り上げた白生地が、市場でどのように喜んで頂いているかの反応にも、視野を広げられるよう、前進したいと夢をもっています。

(上記画像は、製織に使用する生糸をボビンに巻き取る糸繰という作業です。)